僕はコーヒーが好きだ。大好きだ。
今もこの記事をセブンカフェを飲みながら書いている。
ネット上でも当初から度々話題になっているこの問題。
ピンと来ている人も多いだろうが、僕にはどうしてもこの問題が許せない。
ラベル貼られまくる問題
ネット記事でも見た人も多いだろう。
そう。
「あたたかい」「つめたい」「ラージ」「スモール」などラベルを貼られまくっているマシンを実際に見た人も多いと思う。
いやもう本当にダサい。きたない。
やめてくれと思う。
せっかくのデザインが台無しじゃないか。
でも、よくよく考えてみると「何故こんなのが貼られる事態になっているのか」
皆さんは何か思いつくだろうか。
多分殆どが同じだろうが、「そのままだと判りにくい」のである。
"HOT COFFEE""ICE COFFEE" "REGULAR" "SMALL""Rボタン"と"Lボタン"
しか書かれていない。
しかも左にR、右にLときたものである。
ここは日本だし、老若男女問わず利用する。
そうなると間違いも起きるし、ミスったお客に対しては新しいのを出す店舗もあるとかないとか。
こんな状態だとラベルを貼られても仕方ないですよね。
しかし調べてみると、「ホットコーヒー」「アイスコーヒー」「普通」「大きい」のルビが振られたメーカーが最近出てき始めている模様。
よかったよかった!!・・・でもない!!!
そもそもスペル違う問題
違うんですよ。
"ICE COFFEE"ではなく "ICED COFFEE"なんです。
このままだと「氷のコーヒー」になっちゃう。
僕はここが1番許せない。
和製英語っていう事なんでしょうけど・・・
じゃあいいか。いいのかな。
でも何か気持ち悪いというかなんというか。
後述しますが、これだとデザイナーはただの無知って事になりますよね。
デザイナー 佐藤可士和
このコーヒーメーカーのデザイナーは佐藤可士和氏。
日本を代表するデザイナーだ。
彼の作品はとても素晴らしいのが多く、僕も彼の書籍を何冊も読んできた。
勿論、このセブンコーヒーメーカーもいいデザインだと思う。
しかし、何故こんなデザインになったのかを考えてみる。
デザインとプロダクトの境界
難しい問題である。
このコーヒーメーカーの例が凄くいい例だと思うのだ。
デザイナー自身は勿論このスペルに関しては既知の問題であったとは思う。(思いたい)
英語表記しかないのは今は置いておこう。
僕が思うに、おそらく要素を揃える事を重視したのだと思う。
このデザインは要素が縦に通っている。
上段にホット、下段にアイス。
"ICE"を"ICED"のように1文字増やすとアンバランスになるのだ。
解りやすいようにラインを引いてみた。
デザインとは要素を揃え、極力シンプルに、バランスを保つ事が最も重要な事のひとつだ。
このようにアンバランスになるより、和製英語を使ってまでデザインの方にバイアスをかけたのだろう。
しかし。
僕が思うに、プロダクトデザインとはその美しさもさることながら、TPOに合ったモノを作ってこそのプロダクトデザインだと思う。
この例ではセブンコーヒーなんて老若男女が利用するものだし、外国人も利用するだろう。
なんたってコンビニですから。
これが高級志向の店舗やホテルなんかにあれば別に何も問題ないだろう。
誰もがすぐに理解し、子供でも外国人でも直感的に使えるようなものでなければいけない。
確かに英語だけだとスッキリしていてかっこいい。
シュッとして見えるし、余計なものがないのは美しい。
だが日本語も書いていないようなものではダメなのです。
余りにもデザインに固執してしまってはユーザビリティに直結する場合がある。
そこまで配慮し、且ついいデザインのものを考え、創り出す事がデザイナーの仕事だと思う。
確かに、こういったプロダクトはデザイン案を議題に上げ、クライアントにコンセンサスを得られなければ世に出る事もない。
このような問題も議題として上がったのかもしれない。
だが、1番最初に書いたようにラベルを貼られまくるような結果となってしまい本末転倒だ。
僕はコーヒーが大好きだ。
コンビニコーヒーではセブンカフェが1番美味しいと思っている。
僕もモノづくりの人間。やりたかった事は理解出来るつもりだ。
だがこういったデザインでも「美味しい」と思わせてほしいものだ。